【志乃武丹英】貧乳義妹（いもうと）を巨乳にして嫁にしてみた【メッセージペーパー付き】

巻頭の『義妹100』はシリーズ100作目とのこと。

ヒロインの百（もも）ちゃんは、Aカップにすら及ばない貧乳にコンプレックスを抱いているが、雨宿りの際にやけくそで肌を見せたところ、義兄が興奮して胸を揉んでしまう。それから2年、義兄は毎日のように百ちゃんの胸を揉み続ける。

季節が廻り、百ちゃんの服が変わっていくにつれ、胸が大きくなっていってもそれは続いた。2年を経て初めて結ばれた夜、変わらなかった義兄を思い返して、貧乳好きではなく自分の胸を好きでいてくれたことに思いが及ぶ。

話としては荒唐無稽なのだが、義妹と義兄という微妙な距離感からなだれ込むセックスを描き続けた作者ならではの優しい視点が随所にある。めぐる季節、変わるサイズの表現がそれだ。

また、二人の結婚後を描く続編『義妹新婚生活』では、『義妹100』へのセルフオマージュが効果的に使われている。さらに、二人の娘の性の目覚めを描く『義妹遺伝子』では、娘の美弦が幼馴染のお兄ちゃんに思いを打ち明ける場所が、『義妹100』の倉庫になっている。

恒例の義妹名簿は母娘２代２０年分のイラスト４枚がその倉庫を背景としているところにも、にやりとした。

全体としていつものハイレベルを貫いている満足度の高い作品。唯一不満だったのが杉崎さんがコメディ・リリーフに終わったところ。